ユリを始めとする切り花は茎から水を吸うことで栄養を補給しています

適切な方法でユリに水を吸収させることにより

葉っぱや花びらの先端まで十分に水分が行き渡って水々しくて張りのある美しい姿となります

生き生きとした姿でユリを長持ちさせるためにはいくつかのコツがありますのでご紹介させて頂きます

水あげ

「水あげ」とは、ユリが水を吸い上げることの手助けをする作業です。

我々が適切に手助けを行うことによって、より効率的に「水あげ」を行うことが出来ます。

切り花は茎の中にある導管という部分から水を吸い上げて栄養を補給し、葉から水分を蒸散しています。

その導管に空気が入ってしまうと導管が詰まり水を吸い上げられなくなってしまい、水分不足となって萎れてしまいます。

導管の通りを良くして潤いのある花の状態にするための「水あげ」の方法として「水切」と「深水」がとても効果的です。

水切

水中で花の茎を水切りしているしている

「水切」とは、水中で茎をカットすることにより導管に入った空気を追い出し、水の吸い上げを良くする作業です。

また、新たな空気の侵入を防ぐ効果もあるので、茎をカットする際は必ず水の中で行うようにして下さい。

花の全長が短いほど水の吸い上げは優れます。

深水

花の茎を深い水につけている

「深水」とは、花の茎を深く水に浸け圧力により水分を押し上げ、葉先までしっかりと栄養を行き渡らせる作業です。

水圧が強いほど水がよく上がるので、深めの花器を使用するのがポイントです。

新聞紙などにくるんで「深水」をすればより効果的です。

花の好む環境を
つくる

光量、風量、温度などに気をつけて花の好む環境を作ることが花の鮮度を保つ秘訣です

光量

照明の管理で潤いを

光は蒸散を行う気孔を開かせる働きがあり、水分の放出を促進してしまいます。照明などを点けっぱなしにしておくと蒸散がずっと続いてしまいますので、夜間はしっかりと消灯をして花の水分状態をしっかりと回復させてあげて下さい。

風量

優しく適度な風

葉に風が当たることにより蒸散が促進されてしまいます。水分状態が悪化すると萎れやすくなってしまうため、エアコンや扇風機、窓からの風が直接当たらない場所に置くようにしましょう。

温度

適温で鮮度を保つ

生花をより長く日持ちさせるためには低温を心がけましょう。直射日光など温度が上昇しやすい場所に置くと日持ちが悪くなってしまいます。

摘花粉

ゆりの花粉を摘む

ユリの花粉は衣類に付着すると非常に落としにくい性質です。

そのため蕾が開いて雄しべが見えてきたらピンセットやティッシュなどを使って予め取り除いておくと良いでしょう。

もし花粉が服などについてしまったら擦ったりせず、乾いたタオルでたたいて下さい。

また濡らしてしまうと余計に落としにくくなってしまうのでご注意下さい。

花器と水を清潔に

清潔な水のイメージ

花器に生ける切り花の本数が多い場合、そして花器の水量が少ない場合には細菌が繁殖しやすくなってしまうため注意が必要です。

できる限り水換えを毎日行い、花器の内側も清潔に保つようにしましょう。

また、ハサミからの細菌も影響しますので、茎を切る前はハサミを洗ってから使用するようにして下さい。